玉川 広小路本店(愛知県豊橋市)

文: 加藤集平

さて、名古屋を出発した私は青春18きっぷで在来線に乗り、やはり豊橋カレーうどんを食べるためだけに豊橋にやってきました。

きれいな豊橋駅構内。観光案内所では、豊橋カレーうどんが大々的にアピールされています。


もう1つの観光の柱は、ここ豊橋が発祥の地と手筒花火。写真のトヨッキーのように長さ約1mほどの筒状の花火を人が抱えた状態で燃やす、なんとも豪快な花火です。


さて、今回の豊橋を訪れた目的である豊橋カレーうどんとは、豊橋の地域おこしのため2010年に登場したばかりの新しいご当地うどんです。
豊橋はもともとうどん屋さんが多く、しかも自家製麺の盛ん(自家製麺率100%だそう)な地域であり、それを全国にアピールしようと開発されたメニューだそう。訪れた日現在では、50店舗が提供していました。
豊橋カレーうどんを名乗るには5つの条件があり、以下のようになっています。
  1. 自家製麺を使用する
  2. 器の底から、ごはん・とろろ・カレーうどんの順に入れる
  3. 豊橋産ウズラ卵を使用する
  4. 福神漬又は壺漬・紅しょうがを添える
  5. 愛情を持って作る
個人的には、このような明文化された縛りがなく明確な定義のしようがない伝統の郷土料理のほうが好きですが、せっかくなので食べに行くことにします。

今回豊橋カレーうどんをいただくために訪れるのは、おなかと時間の都合でこちらの玉川 広小路本店1店のみです。


さっそく入店すると、夕方の中途半端な時間に来たために客は私1人のみです。
目当ては豊橋カレーうどん(880円)ですが、稲荷ずし〔3ヶ〕(200円)も注文します。

テーブルには、豊橋カレーうどんの紹介や食べ方を教えてくれる紙が置いてあります。親切ですね。


豊橋カレーうどんは夏限定で麺だけを冷たくすることができるのですが、私は普通のものをまずいただこうと思い、熱いままにしていただきました。


さて、うどん+いなりが到着です。


うどんですが、確かに器の一番上はカレー、そしてうずらの卵が乗っています。人参の天ぷら、見えにくいですが鶏カツ、ねぎはこのお店のオリジナル。


では、うどんからいただきます。まず麺ですが、柔らかめのしなやか麺です。これは普通のうどんでもおいしそうです。


カレーですが、辛さはそう辛くありません。辛いものが苦手な私にはぴったりです。カレーの味には詳しくないのですが、辛くないこともあり、風味がよく感じられます。やはり、だしで割っているのでしょうか?

さて、豊橋カレーうどんの定義からすると、食べ進んでうどんがなくなれば、山芋、そしてごはんが出てくるはずなのですが…

随分底のほうまで行って…


出ました!!


量はスプーンに2〜3杯程度でした。勝手な想像ではごはんはもっとたくさんあって、もっと早くに出てくると思っていたのですが、かなり底近くになってやっと出てきました。ちょっとごはんのおまけ感が過ぎるかな?とも思いましたが、別のお店では量が違うのかもしれません。

いなりのほうは、写真のとおり油揚げは濃い色で厚さは薄め、具はなし(だったはず)です。味付けも若干濃いめです。大きさはコンパクトなので、一口でもいけます。


お箸を見ると、「明治四十二年創業」の文字が。古いお店ですね!!


以上1店のみですが、豊橋カレーうどんをいただいてきました。冒頭に述べたように豊橋カレーうどんは歴史が浅いご当地グルメの1つです。ここで言う「ご当地グルメ」とは、讃岐うどんなど長い時間の中で育まれてきた「郷土料理」と対比して使う言葉とします。全国に乱立ぎみでご当地だけが盛り上がっている感も個人的にはあるご当地グルメですが、郷土料理とは違い、ご当地グルメには大体「名乗るための条件」が明文化されています。豊橋カレーうどんも御多分に漏れず5つの条件があり、それらを守らなければ名乗ることはできません。そういった条件に変に縛られるとお店の個性、バリエーションがなくなってつまらなくなるのではないか…そして一部の人あるいは地元だけが盛り上がっている残念名物になってしまうのではないか…と私は心配してしまいますが、豊橋カレーうどんの場合、実際のところは50店のお店それぞれが独自色を出して、他店との差別化をはかっているようです。他のお店には行っていないのでどのような個性的なカレーうどんかはまったく体験できておりませんが、別の機会に是非伺って、確かめようと思っています。

豊橋カレーうどんはまだまだ誕生2年!これからの定着と発展に期待です。